【一般漫画感想】Amaryllis(アマリリス)-福島鉄平短編集

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【一般漫画感想】Amaryllis(アマリリス)-福島鉄平短編集

目次

【作品データ】

著者:福島鉄平

発売日:2014年

出版社:集英社

【あらすじ】

親に捨てられ、借金返済のために「へんたいのおじさん」に売られた11歳の少年・ジャン。女装しておとなのお店で働く生活に嫌気が差す中、ジャンは街で同い年の少年・ポールと出会う。一緒にいる時間を居心地良く感じる一方で、純粋なポールと過ごすことが後ろめたくなったジャンは…!? 表題作「アマリリス」ほか福島鉄平が青年誌で発表した5作品と描き下ろし漫画「アマリリス【epilogue】」を収録した短編集。 【収録作品】アマリリス/イーサン飯店の兄弟は今日も仲良し/ハルよ来い/ルチア・オンゾーネ、待つ/私と小百合/アマリリス【epilogue】

https://www.cmoa.jp/title/92583/

【ネタバレなし感想】

福島先生の趣味が大いに反映された神作品の数々

作者の性癖(趣味)が正直に描かれている作品は最高です。この短編集では福島先生の性癖がいかんなく表現されているなと思いました。最高でした。

ド性癖のオンパレード

少年(ショタ)、女装、不幸な境遇、甘酸っぱい青春と友情などなどド性癖のオンパレードな作品ばかりです。初めて読んだ時には衝撃を受けました。めちゃくちゃおすすめです。

どの作品も愛にあふれている

ほろ苦い毒のある作品もありますが、どの作品も愛にあふれているのがいいな~と思いました。友愛、兄弟愛、色んな愛の形があるなと改めて思いました。

ぜひぜひ最後のページまで読んでほしい

最後の「アマリリス【epilogue】」で心臓がギュッッってなりました。読んだ瞬間天を仰いでしまいます。はあ~~~~~~しんどい……(最高)

絵がかわいい

パワーパフガールズのようなポップな絵柄と、少年漫画らしい濃い作画がミックスされているてすばらしいなあと思いました。見ているだけで癒されます。

【ネタバレあり感想】※未読の方はご注意ください。

作品ごとに記載させていただきます。

「アマリリス」ネタバレ感想

神作品ですね。主人公のジャンがめちゃくちゃかわいそうでかわいい……。活発だった少年が、夜の仕事のせいで自分が汚れていると思ってどんどん消極的になっていくところとか、リアルでしんどいなと思いました。

そしてポールがまたかわいい。お祈りする信心深いところ、照れて真っ赤になるところ、全てかわいい。そんなジャンとポールが仲良くなるのがまた尊くてしんどい。

「ニンジャ&ドラゴン」の作者の性格が最悪なところで「うわっ」ってなり、ジャンがポールを「よごしたくない」と言うところで「うわー!」ってなり、ダミアンから嘘の情報を聞かされたところで「うわー!!」ってなったところにポールの家でのやりとりで死にました……しんどすぎる。

ジャンがポールにキスしたところでもう心臓が爆発しました。切ないよー!! つらい。この「アマリリス」では最後もバッドエンドでしたよね……。読み終わったあとはしばらく呆然としてしまいました。最高ですね。

「イーサン飯店の兄弟は今日も仲良し」ネタバレ感想

タイトルからしてもう尊いですよね。ハオランは立派なお兄ちゃんだしハオユウの弟っぷりはかわいい。ティエンルンにボコボコにされてしまったハオユウが、みんなに諭されて「自分は未熟だった」と反省したところに、ハオランがマジギレするのがたまらんですね。お兄ちゃん~~!

しかもハオランが死ぬほど強いという。お兄ちゃん~~!! 強いお兄ちゃんに甘えん坊の弟で今日も仲良しということで、幸せな気持ちになれる作品でした。

「ハルよ来い」ネタバレ感想

これがまたしんどい。たまごを守って神経が過敏になり、カムリに当たり散らすヤマウバ様と、尽くして尽くして尽くしまくるカムリがしんどい。もしこれが現代の夫婦だったらモラハラで即離婚ですね。

でもカムリとヤマウバ様のお互いの愛のデカさで無事にハッピーエンドを迎えられて良かった~!! って心から思いました。カムリは昔のヤマウバ様からもらった優しさのおかげで頑張れたし、ヤマウバ様はカムリへの愛を忘れずにいたので良かった。もしヤマウバ様が変わらずにいたら私がキレるところだった(?)

そして何気に成長したカムリのビジュアルがドドドドドストトライクなんですよね~……どろろ的なかわいさ。いつまでも幸せに暮らしてほしいです。

「ルチア・オンゾーネ、待つ」ネタバレ感想

ルチアかわいすぎる。素直になれず不器用で、なんにもできない世間知らずのお嬢様のルチアが、ベッラと出会って、最後には教会に寄付金を持ってこられるほどの大人になるという。ルチアの頭をよーしよしよし!! ってしてあげたいですね。

ルチアの口癖の「イヤよ、絶対イヤ」が、最終的には湖に身投げしたあとの「ベッラを悪者にしたくない」「死にたくない」という心情に使われる物に変化していたのが「成長したな~!」ってなんだか感慨深かったです。

最終的にルチアを引き取ったのが温厚そうな農夫なのも本当に良かった。幸せになれたんですもんね……。ちょっとほろ苦くてハートフルなストーリーで大好きな作品です。

「私と小百合」ネタバレ感想

ドドドドドドドドド性癖ですね。美しい女装少年が、彼に一目惚れした同級生をからかいに女装をして会いにいくという……。そして私にとって何よりも衝撃だったのが、マコトが父親を「板東のように、女装してたぶらかせられればどれほど楽か」と考えたシーンです。

普通の少年であるマコトがどうしてそこまでの思考に至ったのか非常に興味がありますね。自分の女装姿に自信があるからなのか、自分の中のかすかな「女」の部分のあらわれなのか……。私は前者3割、後者7割だと考えています。(勝手に)

父親に女装がばれて小百合が板東の前に現れなくなり、落ち込む板東の昇段審査に慌てて女装して駆けつけるマコトはもはや「恋」なのでは……? と思うのですがどうなのでしょうか。ギリ友情もしくは恋よりの友情なのでしょうか。板東の小百合への「必ず受かります」宣言と小百合の「よしっ!」のかけ声に二人のそれからの展開を色々妄想してしまいそうです。

「アマリリス epilogue」ネタバレ感想

しんどいオブザイヤーです。アマリリスの終わり方としてハッピーエンドはありえないだろうと思っていたのですが、めちゃくちゃハッピーエンドでびっくりしました。

お互いに孫がいるし、ジャンとポールは相変わらず仲良しだし、孫同士も友達になったし……、って。ジャンもポールもめちゃくちゃ太って中年になってるし。こういうエンディングもあるんだ!!!! って衝撃でした。

アマリリスのあと、ジャンとポールがいつ再会したのかとか、孫同士のそれからが知りたいとか、色々な妄想の余地を残してくださっていてありがたいですね……。すごくすごく素敵だなと思いました。

【まとめ】

一冊に渡って色々な情熱がほとばしっているいい短編集だなと思いました。最高でした。めちゃくちゃおすすめです。

以上、最後まで読んでくださってありがとうございました。

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最後まで読んでくださってありがとうございました。
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