【BL小説感想】魔道祖師(2)- 墨香銅臭
【作品データ】
CP:ランワンジー(表紙右)×ウェイウーシエン(表紙左)
著者:墨香銅臭
発売日:2021年5月30日
出版社:株式会社フロンティアワークス
【あらすじ】
【心が、恋しい人を呼ぶ。】
凶悪な「左腕」の謎を解くため、旅に出る魏無羨(ウェイ・ウーシエン)と藍忘機(ラン・ワンジー)。
まだ正体を隠そうとする魏無羨だったが、藍忘機にはとっくに彼だと見抜かれていた。
昔と違い、今の藍忘機はいたずらにも動じず、お喋りな魏無羨の話に耳を傾け、
時には酒に付き合おうとまでしてくれる。
その変貌ぶりに驚きながらも、魏無羨は彼といるのが楽しくて心地よく感じていた。
やがて辿り着いた義城で、ある男に襲われ「砕けた魂の復元」を頼まれる。
傷ついた魂は、一人の男を巡る愛憎の結末だった。
悲劇に幕を引こうとする魏無羨を守る藍忘機だが――。
https://www.cmoa.jp/title/1101315589/vol/2/
【ネタバレなし感想】
アクションシーン多めで面白い!
1巻よりもアクションシーンが多く、ストーリーも盛り上がったり落ち着いたりと緩急が激しくて面白かったです。BL的な意味でもランワンジーとウェイウーシエンの絡みも多くなり嬉しかったです。(笑)
1巻よりもバイオレンス
バイオレンスで生々しいシーンが多かった印象でした。お食事中だとちょっとウッとなってしまいそうな描写が何度かあるなあと。(そもそも食事中には読まないか)まるでその場にいるような臨場感は小説ならではですね。楽しかったです。
ウェイウーシエンの株が爆上がりの巻
2巻でウェイウーシエンの株が爆上がって大変な事になっています(私が)。基本的には何事にも軽薄な物言いで、荒事ものらりくらりとやっていきつつも、色んな人への優しさがたくさん垣間見えて「好き……」ってなりますね。かっこよすぎる。
ボリュームがすごくて幸せ
2巻もページ数がたくさんあって幸せでした。仕事や家事の合間にちょこちょこ読み進めて、完読まで丸4日ほどかかりました。読んでいる間は普段の生活を忘れて没頭でき、世界観に浸りまくりました。3巻も楽しみだな~!
【ネタバレあり感想】※未読の方はご注意ください。
2巻は過去編が多くて、「なるほどなるほどなるほど~~!!」ってなる巻でしたね。とても面白かったですし、気になる終わり方だったので3巻の発売までカレンダーとにらめっこをすることになりそうです。
まず2巻の最初のシャオシンチェン、ソンラン、アージン、シュエヤンの章ですが、結局シュエヤンがシャオシンチェンやアージンに近づいた真の目的がなんだったのか明かされないままですよね……? 3巻以降でまた出てくるのでしょうか。シュエヤンの生死も、「あの様子だと死んだだろう」というだけで、はっきりとは描写されませんでしたし。
シュエヤンの悪辣な行動の数々は許せませんが、シャオシンチェンへのあの猛烈な執着心はなんだったのでしょうか……? シュエヤンはシャオシンチェンが憎いからだと言っていましたけど、絶対それだけじゃないですよね。アージンですら最後の1個まで全部食べたシャオシンチェンの飴を、シュエヤンは最後まで大事に持っていたわけですし。その辺りが知りたいなあと思いました。
そして、義城でのことが終わったあとのまたランワンジーが酔っぱらったシーンはほんと笑いました。正気を取り戻したウェンニンが2階から落ちて地面にめり込むシーンとか面白すぎる。結局ランワンジーに蹴られてるしかわいい。(笑)
それにしても、抹額にそういう意味があったとはビックリです。私が知らないだけで常識なのでしょうか? ケモキャラが耳やしっぽを触られて「触られてしまったからにはもう結婚するしかない!」ってなるみたいなものなのかな~。
抹額で腕を縛りあげられたウェイウーシエンが寝床に転がされたところは「ウオオーッ!」ってなりました。ランワンジーがウブすぎて「うおお……↓」ってなってしまいましたが、その後のキスは「ウオオオーッッ!!」ってなりましたね……。しかもウェイウーシエンからというのが衝撃でした。BのLだ……。
それにしても、片腕兄さんの正体がニエミンジュエだったとは。私はてっきりウェイウーシエンだと思っていました。(実はウェイウーシエンが死に際に粉々になったのは事実じゃなかったとか、色々勝手に妄想していました。笑)
ニエミンジュエを八つ裂きにしたのが誰か、ランシーチェン、ランワンジー、ウェイウーシェンの三人とも皆分かっているという描写を読んだ時、(全然分かってない私ってやばいのかな……?)と思ったのですが、ちゃんとその後に解明されたのでほっと一安心しました。(笑)
ジングアンヤオもまた、シュエヤンと同じかそれ以上の”邪悪”なんですよね~。まさに「悪人は善人の顔をしている」ですね。ウェイウーシエンが紙ウーシエンになってジングアンヤオの寝所に探りに行くまで、ジングアンヤオはまさに非の打ち所のない善人でしたからね。
チンスーがジングアンヤオの本性を知って嘔吐を繰り返したシーンですが、物語に入り込みすぎて私まで泣いてしてしまって大変でした。自分の子供まで失ったチンスーが気の毒すぎて……。最後は自害させられてしまいますし。チンスーの人生について色々考えてしまってその日はよく眠れませんでした。
生首入りの兜によってウェイウーシエンがニエミンジュエの過去を見させられた時、モンヤオ(ジングアンヤオ)の人を上手く騙して操り、最終的には自分の思うがままにしてしまう手腕にはいっそ感心してしまいました。
でも、モンヤオが父親に必要とされず、真珠の釦を持って行った金鱗台で階段から落とされたシーンは流石に心が痛みました……。ジングアンシャンが、モンヤオとモンヤオの母親の事をもっと大切にしていたら、色々違っていたのでしょうね。そう思うとジングアンシャンが一番の元凶だな。許さん。
それにしても、モンヤオの行動のどこからどこまでが計算なのか、いまいち分からないのが恐ろしいですね。モンヤオがニエミンジュエの推薦状を持って蘭陵金氏のところへ行ったあと、ニエミンジュが様子を見に行くとモンヤオが金氏の修士を殺していたシーンなんか、私は「ええ??」ってパニックになってしまいました。
そのシーンもそうですし、ニエミンジュエと修士達がウェンルオハンに捕まった時に、ニエミンジュエを好き勝手に罵ったり修士を殺しまくったりした時も。
モンヤオ言い分のもっともらしさや、ウェン氏の情報をランシーチェンに届けていたりしていたという情報のせいで「一体どこからどこまでが本心なんだろう?」って混乱してしまいました。
紙ウーシェンが体に戻ったあとランワンジーと一緒に宝物庫を確認しに行った時も、ジングアンシャオは見事にその場を切り抜けて、逆にウェイウーシエン達を貶めることに成功していましたし、怖すぎる。しかもなにやらシュエヤンとの繋がりも出てきましたし、きな臭いことこの上ありませんね……。
第十一章の過去編では、ウェイウーシエンとジャンチョン達が昔どうして過ごしていたかを知られて嬉しく思いました。めちゃくちゃ仲良しだったのですね。本当の兄弟みたいだなあ。
教化に行った先でのウェンチャオとワンリンジャオのコンビの行動にはいちいちイライラさせられましたけども。特に洞窟の中でのこの二人には「誰かこいつらをどうにかしてくれ」ってずっと思っていました。特にワンリンジャオがミエンミエンの顔に焼印を押しつけようとしたところはため息が出ました。(笑)邪悪だ。
ジャンチョン達が亀から逃げたあと、洞窟の中でウェイウーシエンとランワンジーが2人っきりになったところは「ウオオーッッ!!」ってなりました。特にランワンジーの足を治療して服を脱がしたり脱いだりするシーンは「BのLだー!!」ってなりました。2巻で一番興奮したシーンかもしれません。
ランワンジーが涙を流しているシーンも貴重だった。初めてウェイウーシエンに心を開いたというか、気持ちをぶつけたシーンなんじゃないかなあ。亀の討伐も息が合っていましたし、2人が協力するなんて珍しいなー!! って興奮していました。
洞窟を脱出したあとは、ワンリンジャオに対峙したユー夫人がもう……。「ウェイウーシエンの腕を切り落とせ」と言われてワンリンジャオの頬を張ったシーンには「ユー夫人さんかっこいい!」ってなりました。あれだけ冷たく当たっていたので、普通に切り落とすものかと私はてっきり……。(ワンリンジャオに従いたくなかったということかもしれませんが……)
夫人はジャンチョンとウェイウーシエンを船に乗せて逃がして、ジャンフォンミエンもユー夫人のところへ行って……これからどうなってしまうんだ!? というところですし、モーシュエンユーの正体が献舎したウェイウーシエンだってみんなにバレてしまいましたし、ジンリンには刺されてしまいましたし、これからどうなってしまうのかハラハラですね……。
【まとめ】
今回も山あり谷ありの楽しい一冊でした。フラグもたくさんあり、続きが気になります。3巻もすごく楽しみです!
魔道祖師(2)
以上、最後まで読んでくださってありがとうございました。