【BL小説感想】アフェア~人でなしの恋~-丸木文華
【作品データ】
アフェア~人でなしの恋~
CP:斎藤絢斗(表紙右)×雪野友哉(表紙左)
著者:丸木文華
発売日:2018年12月
出版社:二見書房
【あらすじ】
大人の分別なんて、とっくになくしてるだろ
新しい上司・絢斗に一目惚れした友哉。だが絢斗は既婚者で、友哉にも出産を控えた妻が…。男性に惹かれる嗜好をずっと隠してきた友哉は、勤務先の会社が買収されたのを機に新しい上司として現れた絢斗にひと目で恋に落ちてしまう。今まで流されるまま生き、誰にも執着してこなかったのが嘘のように、絢斗に強く惹かれる友哉。だが絢斗は既婚者で、友哉にも出産を控えた妻が…。本来ならそれ以上発展するはずもない二人。しかし、友哉の恋情を見抜いた絢斗は興味本位で友哉を抱いて――。ダブル不倫&同性愛の禁断泥沼ラブ!
https://www.cmoa.jp/title/1101240781/
【ネタバレなし感想】
作家買いです
丸木文華先生のファンなので、作家買いです。丸木文華先生と言えば、執着攻め、ドロドロ愛憎劇、絶倫というイメージですが(個人の意見です)この作品はそんな丸木先生の魅力が詰まった良い作品だな~と思いました。
最初から最後までずっとドロドロ
W不倫の話なので、最初から最後までず~っと昼ドラ的な愛憎劇が繰り広げられていて最高でした。不倫って、リアルだったら絶対許せないのですが小説や漫画だと最高! ってなるの、不思議です。
ほの暗い話がお好きな方にはめちゃくちゃおすすめです
グロとかではないのですが、心がモヤモヤするような、ほの暗い話が好きな方にめちゃくちゃおすすめな作品です。私は超大好きです。
丸木先生の文章が好きです
今作のような、丸木先生のねっとりまとわりつくような文章が大好きです。「フェロモン探偵」のような明るい作品も好きですが、「アフェア」のようにずっと泥沼の底にいる気持ちになれる作品も好きです。無性に読み返したくなる時があり、時間を忘れて読んでしまいます。大好きです。
【ネタバレあり感想】※未読の方はご注意ください。
丸木先生が今作のようなドロドロのお話を書かれたのは久しぶりではないでしょうか? 電子で発売されてすぐに(紙よりもだいぶ遅かったのでやきもきしました……)購入しましたが、最高! ここも最高!! という感じであっという間に読んでしまいました。大好きです。
結婚して妻も子供もいるのに絢斗に走ってしまう友哉と、妻がいるのに平然と友哉と関係を持つ絢斗、二人ともクズくて控えめにいって最高ですね。
美桜にとっての友哉はうぶな草食男子の王子様で、友哉自身もそう思っていたのに、絢斗にどんどん正体を暴かれていく感じもえっちですよね。
一緒にワインを飲んでいて、絢斗に「お前」と乱暴に呼ばれてうれしがっているところとか、友哉に嗜虐指向的な部分が時々出てくるのもめちゃくちゃえっちだなーって思います。
一度落ちてしまったら、あとは坂道を転がっていくように転落していく感じとか、なんだかリアルだなーって思います。現実の不倫は絶対許せませんが、小説の中だとアリな気がしてしまうのが不思議な感覚です。だから不倫ものはやめられない(?)
料理を教えてもらうという名目で絢斗の家に行くシーンも、箱根旅館も、めっちゃ昼ドラだー!! と興奮しました。(笑)楽しい。
救いなのは、妻同士が仲良しなことと、二人にバレていないというところだと思います。バレなければ真実も無かったものと同じなのですよね。
美友が産まれて、友哉が絢斗と別れようとするところも、絢斗がそれを阻止して結局友哉が離れられないところとかも、ドロドロだなあ、なんだかリアルだなあ……って思います。絢斗の口の上手さがぞっとするんですよね。こういう人、本当にいそうだなっていう気持ちになります。
結局フランスには行くし、やりたい放題の箱根旅行も「あーあー」という、もはや暴走列車のような二人と、空港で美桜たちが待っていた時や病室での「やばい」感、そのときは結局バレなかった時のほっとした感じとか、もう手のひらでコロコロ転がされまくってもはや楽しかったです。
最終的には美桜にも杏奈にもバレて制裁を食らうものと思われますが、そこまで描写されていないのも良かったなあと思います。そうなっていると、読み返した時に純粋に楽しめなかった気がするのです。というわけで、何度も読み返しては新鮮に「最高!」と思っています。
【まとめ】
W不倫ということで読者を選ぶ題材だと思いますが、ドロドロものが大好きな人にはたまらない一冊でした。最高でした。
以上、最後まで読んでくださってありがとうございました。