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【一般小説感想】推し、燃ゆ-宇佐見りん

一般小説感想

【一般小説感想】推し、燃ゆ-宇佐見りん

【作品データ】

推し、燃ゆ

著者:宇佐見りん

発売日:2020年9月

出版社:河出書房新社

【あらすじ】

【第164回芥川賞受賞作】

逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を“解釈”することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し――。デビュー作『かか』が第33回三島賞受賞。21歳、圧巻の第二作。

https://www.cmoa.jp/title/1101286649/

【ネタバレなし感想】

オタク特有の「クソデカ感情」を文学的に表現した作品

推しを推しているオタク特有の「クソデカ感情」を、ロマンチックに、詩的に表現された作品だなあと思いました。読んでいて「わかる……」となるポイントが随所にあり、思わずうなずいてしまいました。

主人公のあかりの、推しを中心とした生活に共感

推しを推すという生き方の、日々のサイクルがリアルだなあと思います。推しがいると生活に潤いが出る一方で、苦しくなるようなこともたくさんあるという……。あるある。

「推しが炎上する」ということ

「推しが炎上する」というワードだけでもう「ウウッ」って感じですが、あかりのかなりのガチ勢っぷりと、屈折した感じがダークな作品だなと思いました。「推しを推す」って大変なことだよなあ……。

文字数が少な目なので、とっつきやすい

文字数が少な目なので、読むのが遅い私でも2~3時間で読めました。文章も読みやすいので、家事の合間などに軽く読める感じでした。楽しかったです。

【ネタバレあり感想】※未読の方はご注意ください。

「推しを推す」ってすごく大変だし、楽しいし、つらいんですよね。この作品の中で、あかりに推しがいることで生活に張りと潤いが出て、生き生きとしているというところにまず「わかる」ってなりました。

物語の最初でまず推しが炎上してしまって、もしかしたらアンチ化してしまうのかもしれないって一瞬思いましたが、真幸(推し)を推し続けるあかりのいじらしさに心の中でエールを送ってしまいました。

そしてあかり自身のことですが、最初は成美という友達が出てきて、高校にも真面目に通っていて、てっきり「普通」の女子高生の子なのかと思っていました。

そのうちに「2つ診断がついた」という描写でまず「あれ?」となり、レポートの期限のこと、部屋の散らかり具合のこと、勉強のこと、バイトでの業務態度や行程の描写を見て、ようやく「あ、この子は発達障害なんだな」と気づきました。(遅)

あかりのことは、読みながらすごく応援してしまうんですよね。真幸に投票をするために働いて、推し活している生き生きとしたあかり(この時点でちょっと心配でしたが……)と、真幸が最下位になってしまったあとの壊れ始めたあかりの対比が悲しかったです……。でも気持ちはすごくわかる。

推しによって生活が楽しくなるけど、その一方で推しによってで生活が崩壊することもある。推しを推すって良くも悪くも心がかき乱されることなので、表裏一体なんですよね……。あかりの場合、高校を中退して、就職もうまくいかず家も追い出されてしまって。発達障害の特性が故に、推しのこと以外何も考えられなかったんだろうなあ。つらかったです。

真幸が何故女性を殴ったのかも分からなかったし、SNSのコメントにもリアタイ配信のコメントに反応されることも無かったし、特定された住所のマンションも外から見ているだけ、というのもリアルですよね。

真幸によってあかりは変化していったけど、あかりによって真幸が変化することは最後まで無かったんですよね。読み終わる最後の最後まで、もしかしたら何か起きるんじゃないかと思っていましたので、「そっかー……」って天井を仰いでしまいまいた。切なすぎるなあ。

でも最後は、あかりがちゃんと綿棒を投げることができたので良かったと思います。もしあそこで綿棒を投げられなかったら、たぶんあかりはずっとあのままだったと思うので……。今まで推ししか見ていなかったけど、部屋の中をちゃんと見回すこともできましたし、あかりの人生に変化があらわれた兆しなのだと思いました。

【まとめ】

「推しを推す」ということの本質を突いた作品だなあと思いました。推しのいるオタクなので刺さります。あかりは、推しのことで鬱屈して、苦しくて、ずっとうずくまっていたけど、最後には希望の光が見えたので、心の底から良かったなあと思いました。

<コミックシーモア>
推し、燃ゆ

以上、最後まで読んでくださってありがとうございました。

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