【BL漫画感想】ラムスプリンガの情景-吾妻香夜

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目次

作品データ

ラムスプリンガの情景

メインCP:テオドール(表紙右)×オズワルド(表紙左)

その他CP:モブ×オズワルド

著者:吾妻香夜

発売日:2018年4月10日

出版社:心交社

あらすじ

ラムスプリンガ……アーミッシュが、敬虔なキリスト教徒として彼らのコミュニティに残るか、家族を捨て外の世界で生きるかを決めるための、俗世を体験する期間……80年代アメリカ。ブロードウェイの夢破れ、田舎の街でウエイターと男娼をしているオズは、ある日、バーに来たラムスプリンガ期の青年・テオを「客」と間違え部屋に連れ込んでしまう。行くあても無いテオを放っておけず、つい面倒を見てしまうオズ。アーミッシュであることを馬鹿にされても怒ることも、疑うことも知らない純粋な彼に触れるうちにオズはニューヨークで擦れていた気持ちが絆され、彼を愛するようになるが…。

https://www.cmoa.jp/title/150187/

【ネタバレなし感想】

吾妻香夜先生の名作です

もし私が「一番好きなBL作品はなんですか?」と聞かれたら、この「ラムスプリンガの情景」と答えると思います。確か賞も穫っていましたよね。納得の名作だと思います。大好きです。

一本の映画を観たような読後感

何度読んでも、「すごく良かったな~……」ってしばらくぼーっとしてしまいます。一本の映画を観ているような、そんな気分になります。

80年代のアメリカの雰囲気が感じられる作品

画面の密度の濃さや、台詞など細部へのこだわりが感じられます。まるで自分が80年代のアメリカにタイムスリップしたような気持ちになれます。実際にその時代のアメリカを生きたわけではないですが、空気感や雰囲気を感じることができます。

ちょっとだけほろ苦さのあるストーリー

ハッピーエンドですが、ハッピーの中に少しほろ苦さの残るストーリーだなと思いました。心に小さなひっかき傷をつけられたような感じです。大好きです。

自分の知らない世界の物語

恥ずかしながら、アーミッシュという人たちのことをこの作品で初めて知りました。そしてアーミッシュを始め、80年代のアメリカのバレエダンサー、ベトナム戦争など、私の知らない世界があって、そこに生きている人たちがいたんだなあということをひしひしと感じました。

とにかくおすすめです

購入したのはかなり前ですが、ずっと大好きな作品です。BL初心者の方にもおすすめな作品だと思います。

【ネタバレあり感想】※未読の方はご注意ください。

まずオズワルドの見た目が好きすぎます。かっこいい。男娼をやっているというのもすごくすごくツボです。というのが試し読み段階での第一印象でした。

最初のテオは本当に子供みたいだし、かわいいという印象でした。まさに「天使」でしたよね。それがオズに出会ってどんどん悪いことを覚えていくのを見ていると、「いいぞもっとやれ」と思う自分と「テオが汚れていくー!」と寂しく思う自分が戦って大変でした(笑)

好きなシーンの一つが、テオが街のチンピラに絡まれてオズがけ飛ばすシーンです。あそこで怒らないテオと、オズの擦れている感じのギャップが良いなあ~……と思います。後々の伏線となったシーンですが、この時点の二人の性格がよく表れていたシーンだと思います。なんだかじーんときます。

そして時々挟まれるオズの悲しい過去のシーンとか、テオのアーミッシュの村のシーンとか、全部良いんですよね……。バレエの練習中に父親の訃報を聞いたオズがそれでもバレエの練習を続けるシーンとか、こころが傷みます……。周りでアポロのニュースを見ている子供たちとの対比がやばい。吾妻先生の作品は、「神は細部に宿る」という言葉を体現していると思います。素晴らしすぎる。

それで、もういっちばん大好きなシーンなのですが、カーシアターのシーンとその後の二人のところ! やばいですよね。車の中でテオが英語を使う余裕もないところとか、表情とか、昔の天使だったテオを思い出すとウオー! ってなります。好きです。そのあとのクラブのコマも好きだし、どんどんテオとオズが墜ちていくところは最高だと思います。村でのクロエの洗濯のコマと合わせて、切なくてめちゃくちゃ良い。

そこからオズが村に行く展開は全く想像してなかったのでびっくりしました。結局ダニーに追い出されてしまいましたが……。ダニーのテオへの執着っぷりにそのときは引いちゃいまいした(正直)が、後々分かったその理由を読むと納得ですね。クロエも言っていましたが、アーミッシュであるダニーとテオの絆はお互いへの呪いでもあったんですよね……。切ない。

そして村で二人で踊っているシーンもすごくすごく大好きです。踊っているオズは美しいし、二人の笑顔がかわいい。小さな頃~少年期のオズの傷をテオの優しさが包んだなぁ……と、じんわりしました。それで、そのあとのニューヨークの路地裏でのテオのブチ切れシーンはぞくぞくしました。対比がやばいですよね。テオは体格いいから、その分ブチ切れたら手に負えないんだよなあ……(好き)

そのあとのオズの決心と、ようやく自分に素直になったテオの、完全ではないハッピーエンドがまた良いですよね。バイクに乗って走り去っていったシーン、「行っちゃったなぁ……」ってなぜかアーミッシュの村人側の視点になって寂しく思っていました(笑)でも二人には幸せになってほしい。

まとめ

めちゃくちゃ大好きな作品ですし、これからもずっと大好きです。
恋愛、家族愛、いろいろな愛を教えてもらった気がします。素晴らしい作品をありがとうございました。

<コミックシーモア>
ラムスプリンガの情景

以上、最後まで読んでくださってありがとうございました。

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